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2018年5月9日水曜日

電気通信役務提供契約と説明に関連する裁判例

原告代理人のツイートですぐに告知されたのを発見して気がついたのですが、これまで問題があると指摘され改善がなかなかされずにいた「提供条件概要の説明」にも関連する重要な判断が、東京高裁で2018年4月18日にあった [1] とのことです。

ライブドアニュースの記事があります。

この記事でも紹介されているNHKニュースの報道ですが、同サイトの「NHK関西のニュース」には載っていました。
UQ「ギガ放題」広告で賠償命令」(現在は掲載が終わっていて、リンク切れになってますが。)

この判決はウェブでは報じていたところもいくつかみられました。

5月になって、弁護士ドットコムニュースに、原告代理人のインタビューした内容が掲載されています。
実際の判決文がみてみたい [1] [2]と思いますが、上記のインタビューにて判決内容がある程度詳しく説明されています。

個人的には、
①説明義務を果たしたか否かの立証問題と裁判外での問題解決への影響可能性
②通信事業者と代理店の共同不法行為の成立を認めた点と電気通信事業法27条の3の「必要な措置」の実質化に影響する可能性
に関心を持ちました。

上記のインタビューにもあるように、高裁の判断を導いた重要な証拠は、説明の様子の録音だったとのことです。
やはり「実際の説明はどうだったか」が裁判の場では必要なので、録音が果たした役割は大きかったでしょう。
ただ、下記のホクネットのツイートにもあるように、実際の「説明」の態様に個別性があることは否めず、録音で明らかになったのは「当該事案における説明」にとどまり、他の案件に関する集団的処理に直結させるのは、別の工夫なりが必要だと思います。
また、インタビューには、解約手数料の問題にかなり踏み込んだ判示があったとの記載もあり、その内容をみると、たしかに重要だと思われます。

今後いろいろな論考がでると思うので、それを待ってみたいと思います。

[1] 2018.8.29.追記
 東京高判平成30.4.18.金融商事判例1546号15頁(原審判決も掲載されている)
[2] 2018.10.18.追記
 東京高判平成30.4.18.判例時報2379号28頁(原審判決も掲載されている)