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2018年12月20日木曜日

プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則

総務省、経済産業省、公正取引委員会が「プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則」を策定して公表。

末尾に
総務省、経済産業省及び公正取引委員会は、今後、具体的措置の実施へ向けた検討を進めてまいります。
とあるように、今後の「具体的措置」がどんなものとなるか、そこの方が関心事です。


ここに記載されているものを各々整理。

1.未来投資戦略2018
2.デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会
(1)サイト
  (経済産業省サイト
  (公正取引委員会サイト

(2)中間論点整理
デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」中間論点整理の公表(平成30年12月12日総務省)

(3)中間論点整理のパブリックコメントの結果
 「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」中間論点整理(案)に対する意見公募の結果について

2018年12月14日金曜日

顔認識テクノロジに関するマイクロソフトの見解が公開

日本マイクロソフト株式会社のツイートから。 

マイクロソフトが「顔認識テクノロジに関する当社の見解について」という行動規範を12月13日に公表しています。
アメリカの刑事やスパイもののドラマや映画では「ごく普通に使われているシーン」ばかりとなっている「顔認識」ですが、この点に関わる「課題」を考える上で役に立つ内容ともなっています。

備忘としてメモ。

2018年12月13日木曜日

代理店の無断契約と事業者の対応(電気通信事業法)

毎日新聞の報道から。
代理店の無断契約に対して、事業者が返金に応じたということのようです。
リンク先の記事は次の見出しとなっている。

NTT東、無断契約で返金 フレッツ光代理店
毎日新聞2018年12月13日 06時30分(最終更新 12月13日 08時55分)

「身に覚えのない契約がされている」というのは、以前から指摘が多いところです。
オプションに関しては、請求書が届いたり、引落が始まってから「あれ?」と気がつくことが多いです。

●国民生活センターの報道発表だけでもサッと探してみると・・・。

(2014年3月6日)
よく分からないまま契約していませんか?インターネット、携帯電話等の電気通信サービスに関する勧誘トラブルにご注意!
(2014年9月18日)
相談激増!遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルにご注意
【事例2】
電話勧誘時に書面の交付を求めたが、拒否された。契約後に、書面が届いたが勧誘時の説明と契約内容が違う。

●国民生活センター紛争解決委員会のADR実施状況に関しても・・・。

(平成29年8月31日)
国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(平成 29 年度第 2 回) 

(平成30年3月15日)
国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(平成 29 年度第 4 回) 

●東京都消費者被害救済委員会の報告書にも・・・。

(平成28年11月)


代理店の行動に対する規律は電気通信事業者が行うことが電気通信事業法・同施行規則の想定する基本になっています。

(媒介等業務受託者に対する指導)
第27条の3
 電気通信事業者は、電気通信役務の提供に関する契約の締結の媒介等の業務及びこれに付随する業務の委託をした場合には、総務省令で定めるところにより、当該委託に係る媒介等業務受託者に対する指導その他の当該委託に係る業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

(媒介等業務の適正かつ確実な遂行を確保するための措置)
第22条の2の11
1 電気通信事業者は、電気通信役務の提供に関する契約の締結の媒介等の業務及びこれに付随する業務(以下「媒介等業務」という。)を媒介等業務受託者に委託する場合には、当該媒介等業務の内容に応じ、次に掲げる措置が講じられるようにしなければならない。
一 媒介等業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有する者に当該媒介等業務が委託(二以上の段階にわたる委託を含む。以下この条において同じ。)されるための措置
二 媒介等業務の実施の状況を監督する責任者(当該媒介等業務を委託した電気通信事業者又は媒介等業務受託者が法人である場合にあつては、その役員又は職員)の選任
三 媒介等業務の手順等に関する文書であつて、利用者を誘引するための経済上の利益の内容等を明らかにすることその他の適切な誘引の手段に関する事項及び媒介等業務に関する法令等(法、次に掲げる法律その他の法令及びこれに基づくものをいう。)の遵守に関する事項その他媒介等業務の適正かつ確実な遂行を確保するための事項を記載したものの作成並びに媒介等業務受託者及びその媒介等業務の従事者に対し、当該法令等を遵守させるための研修の実施等の措置
イ 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(平成十七年法律第三十一号)
ロ 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律
四 媒介等業務受託者における媒介等業務の実施状況を、定期的に又は必要に応じて確認することにより、当該媒介等業務受託者が当該媒介等業務を的確に遂行しているかを検証し、必要に応じ改善させる等、媒介等業務受託者に対する必要かつ適切な監督等が行われるための措置
五 媒介等業務に係る利用者からの苦情が適切かつ迅速に処理されるために必要な措置
六 媒介等業務受託者が媒介等業務を適切に行うことができない事態が生じた場合には、当該媒介等業務受託者による当該媒介等業務の中止、他の適切な媒介等業務受託者への当該媒介等業務の速やかな委託その他当該媒介等業務の委託に関する契約(二以上の段階にわたる委託がされた場合には、電気通信事業者及び他の媒介等業務受託者が当該委託のため締結したものを含む。)が変更され、又は当該契約が解除される等、媒介等業務が適正かつ確実に遂行されることを確保するための措置
七 前各号の措置及び次項の規定による報告の適正かつ確実な実施のため電気通信事業者が媒介等業務の委託状況を把握するための措置
2 電気通信事業者は、前項第六号に規定する事態が生じた場合であつて利用者の利益に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、速やかに、当該事態を生じさせた媒介等業務受託者の氏名又は名称、住所及び法人の場合にあつてはその代表者の氏名又は名称その他当該媒介等業務受託者を特定するために必要な情報を総務大臣に報告しなければならない。

2018年12月5日水曜日

海外業者と課税

備忘のためメモ。 朝日新聞のツイートから。
全然整理できてないが、後で見直すためのブックマーク代わりに、いくつか。

●ジェトロ(ビジネス短信)
欧州委、デジタル経済への課税を提案

2018年11月29日木曜日

ネットワークサービスにおける 任天堂の著作物の利用に関するガイドライン

さっそく話題になっていたことですが、2018年11月29日付けで任天堂のサイトで公表されていたので、備忘のためメモ
ガイドラインの冒頭にある
個人であるお客様は、任天堂のゲーム著作物を利用した動画や静止画等を、営利を目的としない場合に限り、投稿することができます。ただし、別途指定するシステムによるときは、投稿を収益化することができます。
という部分が大事ですね。
①個人
②営利を目的

収益化できるシステムとはなんでしょう。。。

2018年11月25日日曜日

端末・通信料金に関する最近の報道

メモ

いくつかの報道を備忘録としてメモ。


1)規制改革会議

●読売オンラインの記事(11/19)
第40回規制改革推進会議(H30.11.19)
資料1「規制改革推進に関する第4次答申

●週刊アスキー
2)総務省の有識者会議

●共同通信(11/23)
モバイル市場の競争環境に関する研究会(総務省)

●ITmedia

2018年10月22日月曜日

独居高齢者が賃貸を借りにくい問題

ワンルームの賃貸物件には「単身者限定」というものもありますが、必ずしも高齢の単身者を無条件で含むとは言えない現状は一部にあります。 単身者に賃貸した場合に、賃貸人が心配するのは、賃料支払能力が第一であることは言うまでもないですが、孤独死に代表される「万が一の時の対処」という問題もあるでしょう。

 

2018年10月20日土曜日

総務省「プラットフォームサービスに関する研究会」

平成30年8月23日総務省
「電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証」の情報通信審議会への諮問
電気通信事業法等の一部を改正する法律(平成27年法律第26号。以下「平成27年改正法」といいます。)附則第9条において、平成27年改正法の施行後3年を経過した場合において、改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされており、電気通信事業分野における規律等に関連して検証を行います。
(中略)
 以上のような大きな変化に迅速かつ柔軟に対応するため、平成27年改正法の施行状況を含め、これまでの政策について包括的に検証した上で、2030年頃を見据えた新たな電気通信事業分野における競争ルール等について検討を行うことが必要です。
 これらを踏まえ、総務省は、本日、情報通信審議会に対し、「電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証」について、諮問しました。
 答申を希望する事項は、次のとおりです。
(中略)
(4)プラットフォームサービスに関する課題への対応の在り方
 プラットフォーム事業者の市場支配力が拡大し、レイヤを超えたサービス提供が進展している中、通信の秘密の保護等の観点から、利用者情報の適切な取扱いを確保するための方策等について検討を行う。

2018年10月16日火曜日

ブロッキングに関する検討会議の議論

10月15日に行われた「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」第9回会合の様子についての詳細をまとめた記事がさっそくアップされ、現在は誰でも読めるようです。

「中間とりまとめ」はせず、会議そのものも無期延期、とのことです。
議事録の公開は7月25日の「第4回」が最後であり、第5回以降の分はまだアップされていません。
(首相官邸サイト内の「検証・評価・企画委員会」のページ)

これまでのブロッキングをめぐる、知見のある方々による多数の指摘・論評を、併せ読むと、今回の議論の問題(検討会の進め方も含む)、いろんな立場の思惑がつかめると同時に、我関せず、で放っておくと本来行ってはいけない方向に勝手に進められていく、そういう状況が生じていたことは、よくわかります。
(上記の記事で紹介されている委員の発言をみると、強く感じます。)


【追記】
10/17付け読売オンラインに若江編集委員の記事が出ていました。

この記事についてはウェブ上でも「わかりやすくまとめられている」とのコメントが多くついていますが、若江編集委員は、この問題に関して多くの記事を書かれており、読売オンラインで読めます。
わかりやすくまとめておられるので、全体像を把握するには適しています。

事務局が出していた中間とりまとめ案については、提出された際にも読売オンラインに若江編集員の記事が出ています。

これらを踏まえると、10月17日の記事に
もはや、海賊版サイトの被害を減らすために、なんとか様々な対策を模索しようという検討会の当初の趣旨は忘れられ、ブロッキング法制化を実現するために、なんとか別の対策の有効性を否定することが目的になってしまったかのようだ。
と指摘しているのも当然だと思いました。

2018年10月15日月曜日

総務省「消費者保護ルールの検証に関するWG」ほか

総務省のツイートから。
開催案内はツイートで紹介されたところとは別の所にありました。
消費者保護ルールの検証に関するWG(第1回)の開催について

★電気通信事業法等の一部を改正する法律(平成27年5月22日法律第26号)
附則 (検討) 第9条
 政府は、この法律の施行後3年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
改正法の施行から2年半近くが経過しました。
総務大臣が電気電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証を情報通信審議会に諮問しました(諮問書は、同会第40回の配付資料などのサイトに掲載されています。

平成30年8月23日
情報通信審議会 総会(第40回)配付資料・議事概要・議事録

平成30年8月23日総務省
「電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証」の情報通信審議会への諮問
 電気通信事業法等の一部を改正する法律(平成27年法律第26号。以下「平成27年改正法」といいます。)附則第9条において、平成27年改正法の施行後3年を経過した場合において、改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされており、電気通信事業分野における規律等に関連して検証を行います。
(中略)
 以上のような大きな変化に迅速かつ柔軟に対応するため、平成27年改正法の施行状況を含め、これまでの政策について包括的に検証した上で、2030年頃を見据えた新たな電気通信事業分野における競争ルール等について検討を行うことが必要です。
 これらを踏まえ、総務省は、本日、情報通信審議会に対し、「電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証」について、諮問しました。
 答申を希望する事項は、次のとおりです。
(中略)
(6)消費者保護ルールの在り方
 光回線の卸売(サービス卸)等により複数事業者によるコラボレーションが進展する等、電気通信サービスの提供条件や料金体系等が複雑化する中、不適切な勧誘や広告表示等の課題が指摘されていることを踏まえ、消費者保護ルールの見直し等必要な方策についての検討を行う。

平成30年9月11日
野田総務大臣閣議後記者会見の概要


なお、「消費者保護ルール実施状況のモニタリング定期会合」は今年2回開催されています。

第4回(平成30年2月16日)
・要改善・検討事項(平成30年2月)
・MVNO音声通話付サービスの初期契約解除制度及び確認措置の導入について(平成30年2月)

第5回(平成30年6月28日)
平成29年度消費者保護ルール実施状況のモニタリング(評価・総括)(平成30年7月)

平成30年9月5日
「消費者保護ルールの実施状況モニタリング平成30年度調査計画」(案)に対する意見募集
これに先立つ10月12日には、総務省が受け付けた平成29年度における電気通信サービスの苦情等の概要が公表されています。

ここでは「電気通信サービスのトラブルにあわないようにするための具体的な相談事例とその対処法」が紹介されています。

2018年10月13日土曜日

ネット広告費を不正に稼ぐサイト

NHKで「ネット広告費が不正にかすめとられる」ことに関して、まとまった記事が掲載されています。

クローズアップ現代。

この記事の中にあったゲストの中川淳一郎氏の
「でも、デジタルの広告って、とにかく分からないと言っている場合ではないと思うんですね、進化し過ぎて。あと理系の脳みそも必要で、数字をどう読むかというところの勉強までしなければいけない。」
等のコメントはとても印象的でした。

NHK NEWS WEB


NEWS WEB の方にもいろいろ記事が載っていました。

2018年10月12日金曜日

漫画村関連

ブロッキング問題で前提として「(権利者側は)やれることをやりきって、それでも効果がなかったのか」という問題について、重要なニュースが立て続けに流れてきたので、メモ。

1.Buzzfeed Japan News 播磨谷拓巳氏の記事



山口貴士弁護士が獲得しました。


2.漫画村とは別の問題について東京地裁に仮処分申立をしていた件

弁護士ドットコムニュースより。

こちらは、山岡裕明弁護士が獲得したものです。

後者については、読売オンラインでも報じられています。


2018年9月11日火曜日

SIMロック解除

備忘メモ。
平成30年8月28日総務省の発表
改正前の「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」には次のような記載がある。
(2) SIMロック解除に関する手続
① 事業者は、可能な場合には利用者がインターネットや電話により手続を行えるようにするなど、迅速かつ容易な方法により、無料でSIMロックの解除を行うものとする。
② ただし、端末の割賦代金等を支払わない行為又は端末の詐取を目的 とした役務契約その他の不適切な行為を防止するために、事業者が最低限必要な期間はSIMロック解除に応じないことなど必要最小限の措置を講ずることを妨げるものではない。
③ ②の最低限必要な期間は、端末代金の支払が少なくとも1回確認で きる期間を考慮し、100 日程度を超えない期間とする。ただし、端末 代金が一括して支払われた場合には、事業者が当該支払を確認できる までの期間とする。


これが次のようになった。
(2) 利用者からの請求に応じて行うSIMロック解除に関する手続
① 事業者は、インターネットや電話等の迅速かつ容易な方法により、 無料でSIMロックの解除を行うものとする。
② (1)②アの最低限必要な期間は、端末代金の支払が少なくとも1回確認できる期間を考慮し、100 日程度を超えない期間とする。ただし、端末代金が一括して支払われた場合には、事業者が当該支払を確認で きるまでの期間とする。 
他方で、SIMロック解除に応じない場合として、
ア 端末の割賦代金等を支払わない行為又は端末の詐取を目的とした役務契約その他の不適切な行為を防止するために、必要最小限の措置として事業者が最低限必要な期間SIMロックを維持する場合
イ SIMロック解除が請求された端末が盗品その他の不正に取得されたもの又は代金が支払われないものと確認された場合
が明記された。
SIMロックをする合理性として以前から主張・指摘されていた事項だから目新しいことではないが、解除に応じるか否かの局面で原則応じる、応じない場合の列挙、という形に整理した印象。

適用関係は次のようにされた。
(2) 本ガイドラインの利用者からの請求に応じて行うSIMロック解除に関する規定は、平成27年5月1日以降の発売に係る端末について適用する。また、4 (1)③の規定は平成 29年8月1日以降の発売に係る端末について適用する。
以前のガイドラインは
(3) SIMロック解除に関するガイドライン(平成 22 年6月策定)は、廃止する。
(4) 平成27年4月30日以前に発売された端末については、SIMロック解除に関するガイドライン(平成22年6月策定、平成26年12月改正前のもの)の規定を適用するものとする。 

2018年8月25日土曜日

ネット上の不正広告

かなり前からウェブサイトを閲覧していると突然「ウィルスに感染しました」などの詐欺広告が表示されることはありました。
「胡散臭いサイトをみているからだろ」という指摘もありましたが、ごく普通のサイトや有名なニュースサイトなどで、単に次の記事をみようとしただけで(特に何もせず、また、フローティング広告にうっかり触ってタップしてしまったわけでもなく)突然遷移することもありました。
その後、アドブロックの利用などで、そうしたことは経験する機会も劇的に減りましたが、たまに普段使わない機種で、アドブロックのないブラウザを触ると、普通にスポーツの結果をニュースサイトをみようとしたら、詐欺広告が表示されて「あれ?」ということはありました。

最近、ようやく大きな問題になってきました。

対応に関して、いくつかの最近の動きをメモ。

1)Impress Watch での対応。


2)「はてな」のツイートから配信停止の告知。


2)「ギガファイル便」のツイートによると、ギガファイル便では配信停止を6月に実施したようです。

2018年8月14日火曜日

新たなデータ流通取引に関する検討事例集ver2.0

備忘メモ
あとで参照するため見失わないよう・・・

調べるとver1.0は昨年3月でした。

2018年5月9日水曜日

電気通信役務提供契約と説明に関連する裁判例

原告代理人のツイートですぐに告知されたのを発見して気がついたのですが、これまで問題があると指摘され改善がなかなかされずにいた「提供条件概要の説明」にも関連する重要な判断が、東京高裁で2018年4月18日にあった [1] とのことです。

ライブドアニュースの記事があります。

この記事でも紹介されているNHKニュースの報道ですが、同サイトの「NHK関西のニュース」には載っていました。
UQ「ギガ放題」広告で賠償命令」(現在は掲載が終わっていて、リンク切れになってますが。)

この判決はウェブでは報じていたところもいくつかみられました。

5月になって、弁護士ドットコムニュースに、原告代理人のインタビューした内容が掲載されています。
実際の判決文がみてみたい [1] [2]と思いますが、上記のインタビューにて判決内容がある程度詳しく説明されています。

個人的には、
①説明義務を果たしたか否かの立証問題と裁判外での問題解決への影響可能性
②通信事業者と代理店の共同不法行為の成立を認めた点と電気通信事業法27条の3の「必要な措置」の実質化に影響する可能性
に関心を持ちました。

上記のインタビューにもあるように、高裁の判断を導いた重要な証拠は、説明の様子の録音だったとのことです。
やはり「実際の説明はどうだったか」が裁判の場では必要なので、録音が果たした役割は大きかったでしょう。
ただ、下記のホクネットのツイートにもあるように、実際の「説明」の態様に個別性があることは否めず、録音で明らかになったのは「当該事案における説明」にとどまり、他の案件に関する集団的処理に直結させるのは、別の工夫なりが必要だと思います。
また、インタビューには、解約手数料の問題にかなり踏み込んだ判示があったとの記載もあり、その内容をみると、たしかに重要だと思われます。

今後いろいろな論考がでると思うので、それを待ってみたいと思います。

[1] 2018.8.29.追記
 東京高判平成30.4.18.金融商事判例1546号15頁(原審判決も掲載されている)
[2] 2018.10.18.追記
 東京高判平成30.4.18.判例時報2379号28頁(原審判決も掲載されている)

2018年4月29日日曜日

漫画村と広告

広告掲載料が収入源になっているということは、以前からも指摘されていたところです。
インターネット以前にも共通する面があったとは思います。
例えば、雑誌。
「怪しげな雑誌には怪しげな業者の怪しげな広告しか載ってない」ということは昔々の時代では常識だったと思います。
また、テレビ。
理由は違うと思いますが、深夜番組の時間帯と日中の時間帯とでは、テレビCMの内容も広告主もかなり違っていました。

しかし、「アングラ、怪しいサイトの割には、まっとうな企業や団体の広告が表示される」というのが、ネット以前の時代との大きな違い、として指摘できるでしょう。

本来「怪しい業者の怪しい広告」と「まっとうな企業や団体の広告」とでは、両者がかち合うことはないと思うのですが、ネットでは配信の仕組みがそうした昔々の感覚的な常識を覆しているようです。

クローズアップ現代
NHK NEWS WEB

2018年3月16日金曜日

成人年齢引き下げと最近の行政処分

成人年齢を引き下げる民法改正案の閣議決定に関するNHKニュースのツイート
平成30年2月20日にあった特定商取引法違反行政処分。
消費者庁のツイート。
ツイートに貼られたリンク先で行政処分をみると、消費者庁が認定した違反行為は5つ掲げられていて、そのどれもが重要な問題です。
特に(契約書面に虚偽記載をさせる行為)*1 *2に記されている点は、詐術による取消権制限の問題(民法21条)とも無関係ではなく、未成年者自身にも見逃せない問題点でしょう。
(5)勧誘者は、遅くとも平成28年10月頃以降、未成年者である消費者が本件連鎖販売契約を締結するに際し、同社では本件連鎖販売契約の相手方が未成年者である場合、保護者の同意が必要であると取り決めているところ、保護者同意書について「ここに自分の親の名前を書いて。」、「本当はだめだけど自分でぱぱっと書いちゃって。」等と保護者の署名を消費者本人に書くよう示唆し、本件連鎖販売契約に係る書面に虚偽記載をさせていました。
NHKのツイート(ニュース)でも触れていますが、成人に達した直後=未成年者取消権を喪失した直後に待ち受けている人たちがいるわけですし、現状でもこういう事案があるわけで。。。

3月15日開催の消費者委員会本会議では「成年年齢の引下げに対する取組について」という議題があり、資料もいくつか公開されています。

第270回 消費者委員会本会議 資料2


*1 特定商取引法第7条1項5号
主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が(中略)、又は次に掲げる行為をした場合において、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、当該違反又は当該行為の是正のための措置、購入者又は役務の提供を受ける者の利益の保護を図るための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示することができる。
⑤ 前各号に掲げるもののほか、訪問販売に関する行為であつて、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして主務省令で定めるもの

*2 特定商取引法施行規則第7条1項4号(訪問販売における禁止行為)
法第7条第1項第5号の主務省令で定める行為は、次の各号に掲げるものとする。
④ 訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結するに際し、当該契約に係る書面に年齢、職業その他の事項について虚偽の記載をさせること。

2018年3月4日日曜日

平成28年改正割賦販売法

平成28年12月2日に可決・成立し、平成28年12月9日に公布されました。

備忘用のメモとして。

1)「実行計画」

●2017年3月8日(経済産業省ニュースリリース)

2)加盟店契約に関するガイドライン

●2017年7月3日(経済産業省ニュースリリース)
「クレジットカード加盟店契約に関するガイドライン」を策定しました

クレジットカード加盟店契約に関するガイドライン(PDF)


3)パブコメ

●2017年11月22日パブコメ結果公示(e-Gov)
命令の交付日2018年6月01日
割賦販売法施行令の一部を改正する政令案に対する意見募集の結果について
クレジットカード加盟店、クレジットカード番号等取扱受託業者、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者に対する報告徴収(令第31条関係)など。

●2017年11月22日パブコメ結果公示(e-Gov)
命令の交付日2017年12月01日
割賦販売法施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集の結果について

●2017年11月22日パブコメ結果公示(e-Gov)
命令の交付日2017年12月01日


4)施行期日

●2017年11月29日(経済産業省ニュースリリース)

施行期日は平成30年6月1日ですが、特商法の改正を受けて割賦販売法の規制の対象となる指定権利・指定役務に「美容医療」(レーザー脱毛、ホワイトニング等)を追加する部分は平成29年12月1日です。


5)その他

●2016年10月28日(経済産業省ニュースリリース)
「割賦販売法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。

2018年2月28日水曜日

利用のない電話番号の扱い

共同通信公式のツイートをメモ。
読売新聞のツイートもあるのですが、リンク先の記事はありません。
というか掲載されていたと思いますが、日も浅いのに今は全く表示されません。
図入りの記事らしいので読みたかったのですが、キャッシュで読むほかなく、どうして記事が消えちゃったのかなと不思議に思います。

電気通信事業法の改正法案が確認できるようになったら、またフォローしようと思います。

2018年2月15日木曜日

コンビニ払いを使った詐欺の増加

amazonギフトなどをコンビニで買わせて、送金させる詐取の手法は前からありました。
それを受けて、コンビニでも購入時の注意喚起をする動きはありました。

例えば下記
●「電子マネーに関する消費者問題についての建議」(2015年8月18日)

消費者委員会
第215回 消費者委員会本会議(2016年3月23日)
【資料2-1】
 「電子マネーに関する消費者問題についての建議」に対する実施状況の報告について

ここ最近のニュース(下記のツイート)をみると、いまだコンビニ払いが集中攻撃を受けているようです。



2018年1月8日月曜日

定期購入契約を巡る問題

いわゆる「定期購入契約」については、消費生活相談を中心に、以前から問題が指摘されていたところです。

1.2016年

2016年の報道は下記。

元になっている国民生活センターの2016年のリリースは下記です。
これをみると、2015年になり突如増加したことが一目瞭然です。


このころ各地の消費生活相談窓口でも同じような情報提供がされていました。例えば島根県消費者センターのツイート。

2.2017年

(1)訴訟

2017年1月には、京都消費者契約ネットワークが(景品表示法30条に基づき)こうした表示の差止めを求める訴訟を提起し、同年6月に勝訴的和解が成立したとのことです。
詳しくは、京都消費者契約ネットワークのサイトにある「健康食品関連ー申し入れ・差止請求」のページに報告等が掲載されています。

(2)報道など

2017年8月には、平成28年度に京都府消費生活相談窓口に寄せられた相談件数の紹介が報道されています。(産経ビズのツイート)


国民生活センターは、翌2017年にも第二弾のリリースを出しました。
これによれば、2016年は2015年の2.5倍、2011年の27.5倍に増加しており、増加具合が尋常でないことがわかります。


2017年11月には、内閣府政府広報オンラインでも、このトラブルについて紹介しています。(同ツイートより)

3.2018年

今年に入って、下記のツイートにあるように「お試し価格」にまつわるトラブルを新聞などが報じています。

(毎日)

(東京)


4.法改正など

【2018.10.17.補正】

(1)改正特定商取引法施行規則第8条第7号

平成28年の特定商取引法関係の改正を踏まえ「定期購入契約」に関連するものが新たに盛り込まれました。
具体的には「通信販売の広告表示事項」の細目部分を定める特定商取引法施行規則第8条に新たに第7号(下記)を追加して「定期購入契約」の問題への対応をはかることになりました(平成29年6月30日公布)。

7 商品の売買契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件

販売条件に関する表示の関係では「売買契約を2回以上継続して締結する必要のあるもの」が定期購入契約の類型とされたわけです。

(2)通信販売(いわゆる定期購入契約)Q&A

2017年12月には、消費者庁サイトに下記が掲載されました。

通信販売(いわゆる定期購入契約)Q&A(平成29年12月20日)

掲載場所は、消費者庁の「平成28年特定商取引法の改正について」というページにある「5.改正法に係るQ&A」です。

詳しい内容は、上記の "Q&A" のPDFを見ていただくとして、定期購入契約とされる契約の類型には、①期間の定めのない定期購入契約の場合、②1回限りを含む期間の定めのある定期購入契約が自動的に更新されるものである場合、の2種類があることを示し、それらに対応する考え方を示しています。

なお、この "Q&A" で触れられている「ガイドライン」とは
インターネット通販における「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドライン」(平成29年11月1日改正)
です。

このガイドラインには「Ⅱいわゆる定期購入契約の場合」の項が新たに追加され、画面例と共に、特定商取引法14条1項2号省令16条1項各号に抵触するか否かに関して、説明がされています。



2018年1月2日火曜日

齋藤雅弘「電気通信・放送サービスと法」(弘文堂)

平成27年改正により消費者保護規定が大幅に加えられ、昨年施行された電気通信事業法、放送法を把握する新しいものは、消費者保護ルールに関するガイドラインのほかは、特殊な論考を除き、入手しやすい市販書籍としてこれに触れているものは、曽我部ほか「情報法概説」(弘文堂)でした。
ただ、この「情報法概説」はプロパーの解説書ではないし、その後の各種政省令やガイドラインのフォローまではしていません。
電気通信事業法等の改正に至るまで議論の経緯(何が問題だったのか、どういう手当をすることになったのか、問題は解決したのか、残されている問題は何か、等々)や、各種規定を横断的にまとめたものが見当たりませんでした。
もちろん、各種の委員会やWGの議事録、報告書はほとんどがウェブ上で公開されているので、それを読めばよいとは思いますし、その作業はとても重要です。
しかし、全てを把握するには量も多く、一つの委員会やWGで議論されていたわけではないうえ、関係する団体やそれぞれが出しているものもあり、過去の経緯の全体を鳥瞰するには負担感が大きかったです。

そのような状況下で下記の書籍が刊行されたと知りました。
著者の齋藤先生は、電気通信サービス関係の各種の委員会やWGの委員を務められており、それ以外にも研修やシンポなども担当されています。

入手できたので拾い読みしてみたところ、平成27年の事業法改正に至るまでの経緯も詳しく記載されておりますし、電気通信サービスに関する消費者問題に関わる新しい法を網羅していて、460ページと大部ですが、とても役立つ書籍です。
独力で各種の議事録、報告書、等々を全部まとめて整理する作業を節約できるだけでもとても助かるものです。
電気通信事業法の最新の改正(省令、ガイドラインも含め)に対応し、かつ、消費者保護関係に関して詳細な記載のある(法令の条項も記載がある)、コンメンタール的な書籍はないので、消費者保護ルール規定が盛り込まれた電気通信事業法に関する解説書、現時点では、この書籍だけが頼りになるものと言えます。