ただ、この「情報法概説」はプロパーの解説書ではないし、その後の各種政省令やガイドラインのフォローまではしていません。
電気通信事業法等の改正に至るまで議論の経緯(何が問題だったのか、どういう手当をすることになったのか、問題は解決したのか、残されている問題は何か、等々)や、各種規定を横断的にまとめたものが見当たりませんでした。
もちろん、各種の委員会やWGの議事録、報告書はほとんどがウェブ上で公開されているので、それを読めばよいとは思いますし、その作業はとても重要です。
しかし、全てを把握するには量も多く、一つの委員会やWGで議論されていたわけではないうえ、関係する団体やそれぞれが出しているものもあり、過去の経緯の全体を鳥瞰するには負担感が大きかったです。
そのような状況下で下記の書籍が刊行されたと知りました。
著者の齋藤先生は、電気通信サービス関係の各種の委員会やWGの委員を務められており、それ以外にも研修やシンポなども担当されています。【見本ができました】— 弘文堂 (@koubundoucojp) 2017年12月14日
齋藤雅弘=著『電気通信・放送サービスと法』消費者の視点から電気通信サービスと放送サービスの法制度を中心に、その現状と問題点、考え方等をわかりやすく解説。この分野、初めての本格的な概説書です。12月18日発売です。https://t.co/qqk0VUF2Yq pic.twitter.com/ilxWLG6oCN
入手できたので拾い読みしてみたところ、平成27年の事業法改正に至るまでの経緯も詳しく記載されておりますし、電気通信サービスに関する消費者問題に関わる新しい法を網羅していて、460ページと大部ですが、とても役立つ書籍です。
独力で各種の議事録、報告書、等々を全部まとめて整理する作業を節約できるだけでもとても助かるものです。
電気通信事業法の最新の改正(省令、ガイドラインも含め)に対応し、かつ、消費者保護関係に関して詳細な記載のある(法令の条項も記載がある)、コンメンタール的な書籍はないので、消費者保護ルール規定が盛り込まれた電気通信事業法に関する解説書、現時点では、この書籍だけが頼りになるものと言えます。
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