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2013年3月21日木曜日

スポーツ団体の運営・倫理

ここ数年、明らかにされてきている、各種の競技団体の抱える問題点について考える材料。


●一般財団法人日本スポーツ仲裁機構
  「トラブルのないスポーツ団体運営のためにガバナンスガイドブック
  PDFとウェブ版と双方あります。


基礎から学びたい
  「ガバナンスはなぜ必要?」
  「ガバナンス」とは何?
  「ガバナンス」への取り組み
具体的に現状を把握したい
  「ガバナンスチェックリスト」
事例から学びたい
  「理事の改選時期なのですが。どのような点を考慮すべきでしょうか。」
  「競技者が選考結果に納得しません。選考はどのように行うべきでしょうか。」
  「ドーピング防止を徹底したいのですが。どのようなドーピング防止体制を整備すればよいでしょうか。」
  「スポーツ団体の役員による不正経理が発覚しました。どのように対処すべきでしょうか。」
  「スポーツ団体で不祥事が発覚しました。どのように対応すべきでしょうか。」
もっと知りたい
  「紛争を解決するために~JSAAのご案内」


●公益財団法人日本体育協会
  「公益財団法人日本体育協会及び加盟団体における倫理に関するガイドライン
  平成16年4月1日制定
  平成23年4月1日改定

 近年、加盟団体及び所属関係団体において、人道的問題(指導者の競技選手に対する暴力やセクシュアル・ハラスメントなど)あるいは補助金などの不適切な処理又は横領など、訴訟にも及ぶ問題が発生していることは、誠に憂えるべき事態であるとともに、自らの組織団体においても十分な留意が必要である。
 このような状況をも十分に考慮し、本会及び加盟団体においては、常に公明正大でかつ健全化を目指した組織体制の整備と健全な組織運営を図っていく必要があり、そのために必要な倫理に関する諸事項をガイドラインとしてまとめたものである。

項目をみていくと、現実の方はかなり乖離しているのかなと感じる。

ガイドライン自体も、特に2(4)の注釈は、理解できなくないが、そういう苦情を面と向かって言えない現実があることが正に問題であり、そちらの方が重視されるべきで、「イヤなら言えよ」的になって選手に押しつけているところは問題だと思う。

ただ作っただけなのかもしれないと感じてしまう。

Ⅰ.人道的行為に起因する事項
 1. 身体的・精神的暴力(バイオレンス)行為等について
   (中略)
  (1)組織の運営又はスポーツを指導する際に意見の相違などが生じた場合は、互    いに話し合い、相手の人格を尊重して相互理解に努めること。
    特に監督・コーチ等の指導的立場にある者は、競技者等への指導の際、暴力     行為と受け取られるような行いには十分留意すること。

  (2)スポーツを行う際又は指導する際に問題解決の手段として、暴力行為(直接的    暴力、暴言、脅迫、威圧等)を行うことは、厳に禁ずる。

 2.身体的及び精神的セクシュアル・ハラスメントについて
   (中略)
  (2)親しみの言動、表現であっても、個人によって受け止め方に違いがあることを     認識すること。
  (3)本人に悪意がない場合でも、その言動によって相手が不快に感じた場合は、     セクシュアル・ハラスメントになることを認識すること。
  (4)性的言動、表現を受けて不快に感じた場合は、無視せずに相手に対して「不快    である」旨を、はっきりと意思表示をすること。
    (注意…無視した場合は、「受け容れている」と相手に誤解される恐れがある。)

   (中略)
4.役員及び監督・コーチ・審判員等の指導的立場にある者並びに競技者等の関係の在り方について
 相手の立場を尊重するとともに、自分の置かれている立場を自覚して責任ある行動に努めること。

  (1)役員及び監督・コーチ・審判員等の指導的立場にある者並びに競技者等は、     上司と部下、先輩と後輩などの上下関係を利用し、立場の弱い者に対して、人    道的に反する行動や強要をしないこと。

  (2)役員及び監督・コーチ・審判員等の指導的立場にある者は、その立場、役割、    権限等の範囲を超えた精神的・身体的暴力行為等をスポーツ競技会・行事など    に携わる関係者及び競技者等に与えないこと。

  (3)プライバシー(個人的人権)の問題については、役員・監督・コーチ・審判員等     指導的立場にある者及び競技者等がそれぞれ十分配慮すること。 

2008年11月12日水曜日

グラウンド外のレフェリー(ラグビー)

10月30日付け朝日新聞朝刊スポーツ面に「グラウンド外のレフェリー」という署名記事がありました。
それはラグビーにおける出場停止などの処分を決める組織と手順に関する記事です。その中に次のような行があります。

「グラウンド外のレフェリー」と呼ばれるサイティング・コミッショナーとジュディシャル・オフィサー。前者はレフェリー経験者らが担い、試合全体を映像で一から再検証。悪質なものを洗い出して選手らに事情聴取する。報告を受けて処分内容を決めるものが後者。こちらはラグビーに詳しい法律関係者が多い。「初犯」か「常習犯」かといった部分まで精査は及ぶ。


JRFU(日本ラグビーフットボール協会)のサイトにある「IRB競技に関する規定」をみてみると、そこには
17.7.1(v)規律委員会の委員長またはジュディシャル・オフィサーは、少なくとも7年間、法律実務家として高い地位に就いていた者または現役もしくは退役裁判官であるものとし、ラグビーの規律に関する手続きの経験を有する者が望ましい。規律委員会の残りの2名の委員は、ホスト協会が任命するものとし、そのうち1名は著名な元選手とし、他の1名はラグビーの運営において優れていた者または法律家としての資格を有する者とし、ラグビーの規律に関する手続きの経験を有する者が望ましい。
とあります。

※赤字は私が付したものです。


つい先日、このジュディシャル・オフィサーを、知り合いの弁護士が務めていることを知りました。
彼は高校時代に花園に出場し(ただし予選でケガをして本大会には出られなかったと聞いたことがあります)、記憶に間違いがなければ、有名な強豪に抽選負けした世代だったはずです。
彼が話していたのは、IRBの講習会を受けたこと、原則として24時間以内に判断を下さなければならないこと、まだまだ人数が少ないこと、ワールドカップの日本開催に向けて頑張っていること、でした。

その話を聞いた時に「24時間以内の判断は大変だな」と思ったので、改めてJRFUのサイトにある「IRB競技に関する規定」をみると、
17.8.11退場を伴う事件については、実務上可能な限り、プレーヤーが退場を命ぜられた試合終了後24時間以内に判定を下すものとする。
とありました。

法律専門家が関わるとはいえ、かなり大変だ、でも適時の解決という意味では重要だな、と感じました。

ところで、ドーピングの項をみていると、
21.21 アンチ・ドーピング規定違反を扱う規律委員会(Judicial Committeees Dealing with Anti-Doping Rule Violations)
アンチ・ドーピング規定に基づいた制裁措置を含む判例を検討する規律委員会は、通常以下の3人のメンバーで構成されるものとする:
a) 経験豊富な法律実務家で委員長を務める者;
b) スポーツにおけるドーピング及びアンチ・ドーピング規定に詳しい著名な医療実務家;及び
c) 上記の(a)あるいは(b)のカテゴリーに含まれる者あるいは適切な経験と知識を有するラグビー・フットボールの元プレーヤー又は役員
その他、かなり司法手続についての規定が整備されていました。

これを思うと、昨年、ある人気スポーツで起きた選手に対する制裁措置とその取消手続の過程を振りかえると、制裁を加えた側の対応は大変おそまつなもので、制裁を下した組織の人選にも公正さを欠いていた印象は否めません。

参考記事(サポティスタ内)