●2012年1月25日のFOMA音声・パケット通信サービスがご利用しづらい状況について
(ドコモ報道発表資料)
上記のPDF資料
このPDF資料にある「4.制御信号増加の要因」の図解はわかりやすいです。
移動通信では、通信を行っていない場合、周波数有効利用のために無線リソースを解放するが、コミュニケーションアプリ(VoIP/Chat等)の普及により、端末がデータ送受信することによる、端末~交換機間で接続・解放のための制御信号が急増している。
コミュニケーションアプリをご利用されていない場合
端末を操作していない状態でも、AndroidOS機能により28分毎に制御信号が発生
コミュニケーションアプリをご利用されている場合
OS機能に加えてアプリケーション毎に断続的に制御信号が発生
比較的短時間に制御信号が発生(3~5分に1回)
ただ、上記資料は、通信事業者の報道発表資料で、説明がやや省略されていた基本的な部分もあります。
この点についての解説として、下記のものをみつけました。
図解がとてもわかりやすかったです。
●「連載 最新のネットワーク技術」日本データ通信機関誌186号26頁
井上伸雄:
「スマートフォン時代の携帯電話ネットワーク …データ通信量が大きいのが特徴」
一般社団法人日本データ通信協会のサイトで、同機関誌のバックナンバーのPDFが掲載されています。
【追記】
ただ、掲載するバックナンバーの対象が少なく、どんどん古いものから消されていくようなので、186号のPDFは、現在はみられないようです。
この解説では、無線チャネルの解放も、次のチャネル確立という動作との連続でみた場合、制御信号の増加原因となることが記されている。
※(一般社団法人日本データ通信協会のサイト)スマートフォンが従来の携帯電話と異なるもう1つの点は、複数のアプリがバックグラウンドで頻繁に通信を繰り返すなど、通信の頻度が高いことで、そのため制御信号が増大してしまうことだ。制御信号とは「通信の開始・終了」「端末の現在位置」「端末の基地局間の移動」などの情報をネットワーク側に通知する信号で、この制御機能を処理できないと正常な通信ができなくなってしまう。
・・・(中略)・・・
スマートフォンの場合は無線通信特有の問題がある。無線通信では1ユーザが電波を占有してしまうことがないように、データを送信し終わると無線チャネルを解放し、次のデータを送信するときに再びチャネルを確立する、という動作を繰り返している。
・・・(中略)・・・
この無線チャネルの状態が変わるときに端末とネットワークの間で制御信号がやりとりされるが、制御信号は1個ではなく、例えば通信の開始時にはおよそ30個もの制御信号がやりとりされる。データ通信では、短いデータを間隔を空けて何回も送ることが多く、無線チャネルの確立と解放を短時間のうちに何回も繰り返すため制御信号が増えてしまう傾向がある。
ユーザが全く意識していないところ、意識していない通信を、たくさん繰り返し行っている、ということですね。。。
しかもユーザが増えれば増えるだけ、信号が増える・・・。
2つの資料を併せて読むと、全体がスッキリわかりました。