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2020年10月7日水曜日

電気通信事業法26条、27条の2違反等による指導

総務省から電気通信事業法26条(説明)や27条の2(禁止行為)違反に基づく指導の事例が続けて公表されています。
下記の3つ。

令和2年6月12日発表 
光回線の事業者変更の案内との誤認を招くISPサービスの不適切な勧誘等に係る販売代理店らに対する指導等

令和2年6月18日発表
自らを大手の電気通信事業者又はその販売代理店であるかのように名乗る等の行為により、利用者をこれらの者からの勧誘を受けていると誤認させた状態で勧誘を行っていたと考えられる事案

令和2年8月20日発表
光回線の事業者変更の案内との誤認を招くISPサービスの不適切な勧誘等に係るISPサービス提供業者に対する指導

上記の①②③で指摘されている事実から特徴的な事項をあげると・・・

第1 勧誘の形態と説明
(1)電話勧誘
 電話勧誘の場合、電話による説明を行うことの了解を得る必要がありますが、説明内容が基本説明事項を含めて適切に行われていないことが多い類型です。
 また、より重要な点は、現行法は契約締結を書面行為としていないので、電話だけの口頭契約を成立させやすい類型であり、説明の内容と契約内容が異なるということも生じやすいものです。
 実際に、説明と契約書面の齟齬(契約締結日)が指摘されています。

(2)訪問販売
●説明時のメモ書きで、●●代理店と記載されたが、契約締結代理権がなかった
●基本説明事項を記載していない書面を「説明書面」としていた

第2 禁止行為(法27条の2)に該当する行為
1号
利用者に対し、第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約に関する事項であつて、利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為

2号
第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘に先立つて、その相手方(電気通信事業者である者を除く。)に対し、自己の氏名若しくは名称又は当該契約の締結の勧誘である旨を告げずに勧誘する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)

●代理店契約を締結する関係にないのに、そのような説明をしていた
●勧誘の対象となる電気通信サービスを提供する電気通信事業者の名称を名乗らない
●苦情処理を代理店に一任して自らは対処しなかったため、自らに寄せられた解除の意思表示を長期間放置して解除手続が完了せず効力が生じなかった
●販売店から訪問販売を受けた際に契約申込を拒否した者に対して、役務提供の事実がないのに利用料を請求

これらの行為は、改正により禁止行為の類型が増えるきっかけとして、以前から多く指摘されていたものです。

第3 代理店に対する指導
第27条の4
 電気通信事業者は、電気通信役務の提供に関する契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理(以下「媒介等」という。)の業務又はこれに付随する業務の委託をした場合には、総務省令で定めるところにより、当該委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下「媒介等業務受託者」という。)に対する指導その他の当該委託に係る業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

●法第26条第1項及び第27条の4の規定の遵守徹底
●再発防止措置の実施及び実施状況の報告
が指導の内容とされました。

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