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2013年7月26日金曜日

偽ブランド品の海外サイトからの購入

マイナビニュースから。

http://news.mynavi.jp/news/2013/02/06/051/index.html
このニュースで取り上げられている平成25年2月5日には、消費者庁は3つの事項を載せています。
そのネットショッピング、本当に大丈夫?~模倣品の販売が確認された海外ウェブサイトを公表します[PDF]
模倣品の販売が確認された海外ウェブサイト及び模倣品の販売が強く疑われる海外ウェブサイト[PDF]
その商品、模倣品かも…??~模倣品を販売するウェブサイトを見抜く4つのチェックポイント~[PDF]

このうち「模倣品の販売が確認された海外ウェブサイト及び模倣品の販売が強く疑われる海外ウェブサイト」は、その後も数回更新されています。

1.海外サイトからの購入に関する一般的な注意点

●消費者庁(平成24年4月11日)「インターネットを通じた海外ショッピング時のトラブルと注意すべき5つのポイント ~消費者庁越境消費者センター(CCJ)に寄せられた相談から~

これは「消費者庁越境消費者センター」に寄せられたトラブルの特徴をまとめたもののようです。
解決法ではなく、事前の注意ポイントです。

2.模倣品(偽ブランド品)の海外サイトからの購入

(1)購入動機(パターン)

模倣品(偽ブランド品)については、
①「本物と思って買ったら偽物だった」
②「偽物と知って、偽物を買った」
という2つのケースがあります。

消費者庁越境消費者センターFAQにも「Q13」にも、2つのパターンがあることが記載されています。
Q13: 模倣品(偽ブランド品等)と知りながら購入したけれども返品したい、または購入後に模倣品と気づいた場合の対応について、相談は可能ですか?

A: 模倣品はブランド保有者の商標権を侵害するものであるため、関税法により、輸入も輸出も禁止されています。よって、商品が模倣品と知りつつ海外の売主に「返品」することは 「権利侵害品の輸出」にあたり、行うことができません。(商品到着後に模倣品であることに気づいて返品する行為を含む)
   返金等に関するお問い合わせは、利用する決済機関(銀行、クレジットカード会社等)に直接ご相談ください。
   その他、なんらかの対応を希望される場合は情報をCCJまでお寄せください。(ただし、トラブルの解決をお約束することは出来かねますのであらかじめご了承ください。)
※ 赤字と下線は、私が付しました。

①「本物と思って買ったら偽物だった」という事例以外に、②「偽物と知ってわざわざ偽物を買う」ケースがあることに疑問を持つ方もいるかもしれません。
しかし、現実には、一定程度「偽物の需要」、特に「対応する本物がそもそも存在しないロゴだけ使った偽物」、これは「なんちゃって商品」(「フェイク」とかの表示で売られているケースもみたことがあります。)ともいわれるようで、その需要はあるようです。
対応する本物がなくても、ブランドを傷つけるため、権利者にとっては困った変な需要だと思いますが。

私自身はフランド品に興味がないので、今ひとつピンと来ない面もありますが、有名ブランド偽物にまつわる思い出はあります。
それは、小学生のころ流行した、アディダスの青いウインドブレーカーです。
せっかく親や親戚に買ってもらったものの、偽物だった、そもそも似て非なるものだった、という「悲しい」でも今となっては笑える思い出話です。
例)
●胸のロゴが「adidas」アディダスじゃなくて「adidos」アディドス
 (二番目のa(エー)がo(オー)になっていた)
●左腕の白いラインが3本じゃなくて、2本だったり、4本だったり・・・

同世代の方には「あー、それあった」と頷かれる方も多いのではないでしょうか。

(2)「輸入」に伴う問題

商標法プロパーの話はここでは省略し、後記の「輸出」と比較する関係で、関税法のことのみ触れることにします。
購入動機パターン②は、購入側に「偽物」の認識があるので、「偽物の輸入の可否」の問題を検討をする必要があります。
用語の定義は次のようになっています。

●「輸入
 外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)又は輸出の許可を受けた貨物を本邦に(保税地域を経由するものについては、保税地域を経て本邦に)引き取ること(2条1項1号)

●「輸入してはならない貨物
 商標権を侵害する物品も該当します。
第69条の11第1項
  次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
九  特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
税関長は、商標権侵害品で輸入されようとするものを没収して廃棄し、又は当該貨物を輸入しようとする者にその積戻しを命ずることができる、とされています(関税法第69条の11第2項)。

※ 関税法76条(郵便物の輸出入の簡易手続)が適用除外としているのは、「第67条から第69条まで」と「第70条から第73条まで」であり、第69条の11は含まれていません。

●違反
 「輸入してはならない貨物」を「輸入」すると、罰則があります。
 未遂、予備も構成要件が設けられています。
第109条
 (1項省略)
2  第69条の11第1項第7号から第10号までに掲げる貨物を輸入した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3  前2項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
 (4項省略)
5  第2項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

3.模倣品(偽ブランド品)の海外サイトへの返品

ところで、上記の消費者庁越境消費者センターの「Q13」に掲載されているように、偽ブランド品を海外に返品」することは、それ自体が関税法的に問題のある行為となります。

(1)輸出してはならない貨物

 商標権を侵害する物品も該当します。
第69条の2第1項
 次に掲げる貨物は、輸出してはならない。
三  特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又は育成者権を侵害する物品
●「輸出
 内国貨物を外国に向けて送り出すこと(2条1項2号)

●「内国貨物
 本邦にある貨物で、輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)で輸入が許可される前のもの(「外国貨物」)でないもの及び本邦の船舶により公海で採捕された水産物(2条1項3号4号)
消費者の手元に届いたものは「外国貨物」ではないので、「内国貨物」になり、海外へ返送することは「輸出」に該当してしまいます。

税関長は、商標権侵害品で輸出されようとするものを没収して廃棄することができる、とされています(関税法第69条の2第2項)。

●違反
 「輸出してはならない貨物」を「輸出」すると、罰則があります。
 未遂、予備も構成要件が設けられています。
第108条の4
 (1項省略)
2 第69条の2第1項第2号から第4号までに掲げる貨物を輸出した者(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻し(同項第3号及び第4号に掲げる物品であつて他の法令の規定により当該物品を積み戻すことができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより行うもの及び第69条の11第2項の規定により命じられて行うものを除く。)をした者を含む。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3  前2項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
 (4項省略)
5  第2項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(2)故意

「返品したい」と考えるのは、、購入パターン①「本物と思って買ったら偽物だった」場合は「偽物だとわかったから」です。つまり、「これは偽物だ」との認識を持った」わけです。
他方、購入動機パターン②「偽物と知って、偽物を買った」人は、そもそも「偽物だ」という認識があります。
ですから、いずれの場合も、権利侵害品を返品しようとする人には、関税法違反(輸出できない貨物の輸出)の故意が認められてしまいます。

4.返せないから模倣品(偽ブランド品)を他人にあげる・・・

「商標侵害品」は、海外に返品できないので、結局は「廃棄」するしかないと思います(商標法36条2項参照)が、廃棄せずに「欲しい」という他人に譲渡したらどうなるでしょうか。
関税法第112条
 第108条の4第1項若しくは第2項(輸出してはならない貨物を輸出する罪)、第109第1項若しくは第2項(輸入してはならない貨物を輸入する罪)・・・、の犯罪に係る貨物について、情を知ってこれを運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し、又は処分の媒介若しくはあつせん(以下この条においてこれらの行為を「運搬等」という。)をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(みなし侵害)
商標法第37条
 次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。
二  指定商品又は指定商品に類似する商品であつて、その商品又はその商品の包装に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為
(侵害の罪)
商標法第78条の2
 第37条又は第67条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
つまり、損を他人に押しつけるようなことはしてはいけない、ということです。


【その他参考サイト】

一般社団法人ユニオン・デ・ファブリカン



1 件のコメント:



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