ページ

2016年2月24日水曜日

「確認措置」関連の告示案

1.確認措置において解除の対象となる「関連契約

(告示案)
 改正電気通信事業法の施行日(平成28年5月21日)の施行が予定されています。

規則第22条の2の7第5号ロ
 当該利用場所状況について十分でないことが判明したときは、関連契約(確認措置契約及び当該電気通信事業者が当該確認措置契約の締結に付随して有償継続役務の提供に関する契約を締結又はその媒介等をした場合における当該契約その他の当該電気通信役務の提供に付随して締結された契約であつて総務大臣が別に告示するものをいう。以下この号において同じ。)を解除できること。

 (告示案第2項、ガイドライン案61頁

 ア)確認措置契約(電気通信役務提供の契約)、
 イ)ア)の締結に付随して締結(媒介等)した有償継続役務の契約
 ウ)ア)の役務提供に付随して締結された契約で、告示されたもの

告示案第2項

① 施行規則第22条の2の7第1項第5号に規定する確認措置契約の締結に付随して、電気通信事業者又は当該締結の媒介等をした媒介等業務受託者により締結された移動端末設備(当該確認措置契約を締結した利用者のものに限る。)に係る売買契約(割賦販売(割賦販売法(昭和三十六年法律第五百九号)第二条第一項に規定するものをいう。)の方法により販売する契約及び個別信用購入あつせん関係販売契約(同法第三十五条の三の五第一項に規定するものをいう。)を含む。)であって、次のいずれかの要件を満たすもの。
イ 当該移動端末設備が当該確認措置契約に係る電気通信役務の提供に用いられる端末系伝送路設備の一端に接続されること。
ロ 当該売買契約の締結が当該電気通信役務に関する料金その他の提供条件と関連すること。

② 前号の売買契約の締結に伴い締結される個別信用購入あつせん関係受領契約(割賦販売法第三十五条の三の三に規定するものをいう。)その他の契約の代金に相当する額の支払に関す契約

③ 当該確認措置契約又は前二号の契約のいずれかの解除に伴いその提供が中止される有償継続役務に関する契約であって、当該確認措置契約の締結に付随して電気通信事業者が締結又はその媒介等をしたもの

1号は、その電気通信役務提供に使われる端末の売買契約です。

2号は、端末の売買に伴い締結される個別クレジット契約です。


2.事業者が予め基準定める条件(遵守状況の適合判断基準)

(告示案)
 改正電気通信事業法の施行日(平成28年5月21日)の施行が予定されています。

規則第22条の2の7第5号ハ
 総務大臣が別に告示するところにより当該電気通信事業者があらかじめ定めた基準に当該遵守状況が適合しないときは、当該利用者が関連契約を解除できること。

告示案第3項
 施行規則第22条の2の7第1項第5号ハの規定により電気通信事業者があらかじめ基準を定める条件は、次に掲げる規定について、その遵守状況を検証等することができる基準を定めること とする。
一 法第26条
二 法第26条の2

電気通信事業法関係審査基準11条の2(4)では、この「事業者があらかじめ定める基準」を「適合基準」と表記しています。

適合基準の条件として、検証等を行う「遵守状況」の対象に、「法26条(提供条件の説明) 」と「法26条の2(契約書面の交付)」の2つの規定を含むこととしています。

同じく新設された法27条の2(禁止行為)、30条2項などは対象とされていません。

ただ、法26条の説明の「方法」は、施行規則22条の2の3第3項や4項(適合性原則)に規定されていますから、その点の検証ができる基準となっているか、そのあたりが「遵守」の判断をみるうえで重要な点になりそうです。


3.確認措置の審査基準案

(1)利用場所状況

①確認の方法(ア・イを充たすこと)

ア 契約した利用者の住所地等において提供を受ける認定対象役務の品質(基地局が送受信する電波の伝搬に関する状況により影響を受けるもの)に関する状況の確認をすることができること。

11条の2(1)ア
 申請者と認定対象役務契約(当該認定を受けようとする電気通信役務(以下この条において「認定対象役務」という。)の提供に関する契約をいう。以下この条において同じ。)を締結した利用者が、認定対象役務の提供が開始された日(契約書面を受領した日(記載事項等が情報通信の技術を利用する方法(施行規則第22条の2の5第1項の方法をいう。以下この条において同じ。)により提供された場合にあっては、その提供を受けた日)が認定対象役務の提供が開始された日より遅いときは、当該契約書面を受領した日。以下この条において「開始日」という。)を起算日とする八日以上の期間において、当該認定対象役務契約に基づき、当該認定対象役務の提供を受けることにより、当該利用者の住所地等において提供を受ける認定対象役務の品質(当該認定対象役務の提供に用いられる基地局が送受信する電波の伝搬に関する状況により影響を受けるものに限る。)に関する状況の確認をすることができること。

イ 期間になされた、品質に関する状況が不十分だという申出に対して、事業者が適切な対応を行うこと。

11条の2(1)イ
アによる利用者の確認の結果、当該期間を経過するまで当該利用者が当該申請者又はその媒介等業務受託者(以下この条において「提供電気通信事業者等」と総称する。)にアの品質に関する状況が不十分である旨を申し出た場合にあっては、提供電気通信事業者等は適切な対応を行うこと。

②解除の方法

事業者適切な対応をした結果、品質が当該利用者にとって不十分だとわかって、利用者が関連契約の解除を求めたときに、解除に応じること

11条の2(2)
(2)利用場所状況に関する確認に伴う認定対象役務契約の解除の方法が、次の要件を満たすこと。
 (1)アの品質が当該利用者にとって不十分であることが(1)イの対応の実施により明らかとなり、かつ、当該利用者が認定対象役務契約の解除を含む関連契約の解除を求めたときは、提供電気通信事業者等は当該関連契約の解除に応じること。

(2)遵守状況

①確認の方法

(3) 遵守状況に関する確認の方法が、次の要件ア・イを満たすこと。

ア 利用者において遵守状況の確認ができること

11条の2(3)ア
 申請者と認定対象役務契約を締結した利用者が、開始日を起算日とする八日以上の期間において、遵守状況の確認をすることができること。

イ 期間になされた、遵守状況が不十分だという申出に対して、事業者が遵守状況の検証を含む適切な対応を行うこと。

11条の2(3)イ
アによる利用者の確認の結果、アの期間を経過するまでの間に当該利用者が提供電気通信事業者等に遵守状況が不十分である旨を申し出た場合は、当該提供電気通信事業者等は適切な対応(遵守状況の適切な検証等を含む。)を行うこと。

②解除の方法

事業者の検証により、適合基準に適合しないことが明らかとなって、利用者が関連契約の解除を求めた時に、解除に応じること。
「明らか」という文言が入っていますから、「適合しないことが明らか」と言えるか否か、その判断が実際の現場では判断が割れて問題になりそうです。
適合性原則との関係などでは、個別事案によることになり、この規定だけでは解決できないでしょうから、事例の蓄積をはかるしかないのでしょう。

11条の2(4)
(3)アの遵守状況が、施行規則第22条の2の7第1項第5号ハの申請者が定める基準(以下この条において「適合基準」とい う。)に適合しないことが(3)イの対応の実施により明らかとなり、かつ、当該利用者が認定対象役務契約を含む関連契約の解除を求めたときは、提供電気通信事業者等は当該関連契約の解除に応じること。。

(3)手順の明確化、円滑実施の体制の整備

11条の2(5)
 (1)から(4)までの要件を満たす方法(適合基準を含む。)に関する手順が明確に定められていることその他の当該方法が円滑に実施されるための体制が整備されていること。

(4)解除に伴い利用者が支払う額の合理的算定方法の適正・明確化

11条の2(6)
 (2)及び(4)による契約の解除に伴い利用者が支払うべき額の合理的な算定方法が適正かつ明確に定められていること。

(5)提供条件概要説明による説明

下記ア・イの説明をすること。

11条の2(7)ア
 確認措置により、その利用者に係る利用場所状況又は遵守状況に関する当該利用者からの申出を受けて関連契約の解除が可能な場合がある旨

11条の2(7)イ
 利用場所状況又は遵守状況が不十分と認める場合の申出の方法及び申し出ることのできる期間 ウ 確認措置に関する内容が契約書面に記載され、又は情報通信の技術を利用する方法により提供される旨

(6)契約書面への記載

解除の条件、関連契約の範囲、解除できる旨、確認措置を利用するために明らかにしておくことが必要だと考えられる事項

11条の2(8)
 契約の解除の条件その他(1)から(4)までの要件を満たす方法の内容、関連契約その他の解除される契約の範囲(以下「関連契約等」という。)、(2)又は(4)による認定対象役務契約の解除に当たっては、当該関連契約等の解除することができる旨、(6)の額の算定方法その他利用者が確認措置を利用するために明らかにしておくことが必要と考えられる事項が契約書面に記載され、又は記載事項の一部として情報通信の技術を利用する方法により提供されることが明確に定められていること。


(7)訪問販売、電話勧誘販売が行われないこと

確認措置の対象から「訪問販売」と「電話勧誘販売」が除かれ、それらについては初期契約解除の対象となるという説明が、これまでも各所でなされてきました。
しかし、その「根拠」がハッキリしませんでした。
法律にも、省令にも書いてなくて、確認措置の「認定」の審査基準にのみ書いてあるとは意外です。。。

11条の2(9)
(9) 認定対象役務契約の締結又はその媒介等をしようとする際に特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第2条第1項に規定する訪問販売又は同条第3項に規定する電話勧誘販売が行われないこと。

なお、先に公表されていたガイドライン案59頁では、この趣旨に触れています。

 訪問販売や電話勧誘販売は、店舗販売や通信販売とは異なり不意打ち性が高く、また、付随する端末の販売については、特定商取引法等によりクーリング・オフが可能と通常考えられることから、確認措置ではなく、原則どおりの初期契約解除制度を適用することが想定されている。

もっとも、「想定されている」とは何だろう?法文の根拠じゃないのか?と感じていたのですが、ここの審査基準案をみて、ようやくわかりました。


(8)確認措置を講じることが利用者の利益保護のため適切か否か

11条の2(10)
(10) 確認措置を講じることが利用者の利益の保護のために適切となること。


0 件のコメント:

コメントを投稿